50歳を超えたら帯状疱疹のワクチンを接種しませんか?
日本人成人の90%以上に帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜伏することによってできる「抗体」が存在しています。
私たちが子どもの時に感染する水ぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によるものです。
感染したウイルスは、症状を出さない状態で私たちの体内に潜み続けます。
子どもの時に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した人は、ウイルスに対する免疫を持っています。
しかし残念な事に、獲得した免疫は年齢とともに弱まりってしまいます。それにより、帯状疱疹の発症が増加する傾向があります。
また、帯状疱疹に一度なった人でも、体の免疫機能が低下すると再発する可能性は残ります。
大切なのは、「免疫機能を低下させない生活!」ですが、なかなか難しいのも現実です。
「感染症・予防接種ナビ」さんyoutubeより
ワクチンを接種して免疫の強化を図る帯状疱疹の予防接種
帯状疱疹ワクチンには2種類あります。
帯状疱疹の発症率は年齢を重ねると共に高くなる傾向があり、50歳以上の人は、帯状疱疹の予防接種を可能です。
予防接種を受けることは、帯状疱疹を発症しないための選択肢になります。
予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。
予防接種には接種ができない人や、注意を必要とする人も存在します。接種にあたってはご相談ください。
院長コラム
「罹患する前に予防する」
更年期世代の患者さんから、ここ数ヶ月帯状疱疹に罹ったというご報告をよく聞くようになりました。
夏バテと加齢による体力の低下で、免疫力が落ち、帯状疱疹になる方が急増しているようです。
皆様は罹らない対策はしていますでしょうか。
一般的に更年期とは、閉経年齢前後の5年の約10年間を指します。卵巣機能の低下による症状を更年期障害と呼びますが、衰えるのは卵巣機能だけでなく、加齢に伴い消化吸収機能や免疫力の低下も起こります。
一方、この世代の女性は家事や仕事、さらには介護などへの責任も背負うことが多く、自分のことは後回しになっていないでしょうか。
帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスで起こります。
日本人成人の90%くらいがすでに帯状疱疹の原因になるウイルスの抗体を持っていると言われていますが、獲得していた抗体も加齢とともに弱まり、そこにストレスや過労が重なり帯状疱疹を発症すると言われています。

帯状疱疹の症状は、胸部や腹部、頭部、稀に臀部などに痛みやかゆみを伴う水疱や発疹が現れます。
発疹が消えた後も、帯状疱疹神経痛(PHN)が3か月以上も続くことがあります。
ただでさえ疲労を感じる更年期の時期に、帯状疱疹になったら大変ですし、新型コロナウイルス感染症に罹った場合、帯状疱疹も発症することが多いとされています。
個人的なことですが、私は昨年の夏に新型コロナ感染症に罹患し、ひどく苦しい思いをしましたので、帯状疱疹の予防は積極的にしたいと考え、早速予防接種をしました。
テレビや新聞にもあるように、帯状疱疹は50歳以上であればワクチン接種で予防できます。
ワクチンには2種類あります。2016年に登場した生ワクチンは、1回接種で、毒性を弱めたウイルスを接種し、発症を50%ほど抑えることができますが、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、抗がん剤などの薬を使っている人は、このワクチンは打てません。
もう一つは、不活化ワクチンで、2020年に登場し、接種制限が生ワクチンの場合ほどなく、70歳以上でも90%以上の予防効果があります。ただし2回接種で、注射した部分の腫れや痛みは8割ほど、だるさや発熱などの副反応が6割ほどの方に出現します。私も打った日と翌日まではだるさを感じました。
帯状疱疹に罹ってしまった場合は早めの抗ウイルス薬の内服が一番ですが、事前に予防するとしたら、50歳を過ぎたら予防接種を受けることではないでしょうか。「罹患する前に予防する」は、今の医学の大きな柱となっている方針です。
更年期世代の方への提案として帯状疱疹の予防接種もホルモン補充療法等と並行して考えてもいいかもしれませんね。
接種のご予約については、クリニックまでお問い合せください。







