RSウィルスワクチン(アブリスボ)
RSウィルスワクチン(アブリスボ)の接種
生後6か月未満でRSウイルスに感染すると、重症な肺炎や気管支炎になることが多いとされています。
日本では、毎年12万~14万人の2歳未満の乳幼児が感染し、そのうち約3万人が重症な呼吸器症状(咳 呼吸困難 喘鳴)で入院をしています。
治療としては対症療法しかなく、感染をしないことが一番です。
そこで、日本では2024年5月末からRSウィルスワクチンを妊婦さんに打つことができるようになりました。
妊婦さんに接種することで抗体が胎児に移行し生まれてくる赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。
接種は妊娠24週から36週まで可能ですが、推奨期間は28週から36週までに1回の接種をお勧めします。
接種を希望される方は、受診時にその旨をお知らせください。

RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)を妊娠中に接種することには、以下のような理由が挙げられます。
赤ちゃんをRSウイルス感染症から守る
高い予防効果
妊娠28~36週に接種することで、生後6ヶ月までの赤ちゃんがRSウイルス感染症による下気道疾患(気管支炎や肺炎)を発症するリスクを約50%、重症化するリスクを約80%減らすと報告されています。
母子免疫の活用
妊婦さんがワクチンを接種することで、RSウイルスに対する抗体が作られ、胎盤を通して赤ちゃんに移行します。これにより、生まれたばかりの赤ちゃんが生後早期からRSウイルスに対する免疫を持つことができます。
後遺症のリスク軽減
RSウイルス感染症は、治癒後も喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーという呼吸音)などの後遺症が残ることがあります。ワクチン接種により、感染自体を防ぐことで、このような後遺症のリスクを減らす可能性があります。

RSウイルス感染症の現状
- 高い感染率: RSウイルスは、2歳までにほぼ100%の子どもが感染すると言われています。
- 入院のリスク: RSウイルス感染症で病院を受診した2歳未満の乳幼児の約4人に1人が入院するとされています。
- 有効な治療薬がない: 現在、RSウイルス感染症に対する特効薬はなく、治療は症状を和らげる対症療法が中心となります。そのため、感染予防が非常に重要となります。
ご相談下さい!
接種を検討する際には、ご相談下さい。ワクチンの効果や安全性、接種時期などについて十分な説明を行い、接種のスケジュールを母体と胎児の状態を考慮しながら調整します。
また、費用面についてもご説明を行います。(2025年5月現在は公費での接種ではありません。)
接種時期について
- 推奨時期: 妊娠28週から36週に接種することが、より高い予防効果を得られるとされています。
- 出産までの期間: ワクチンの効果が現れるまでには約2週間程度かかるとされています。そのため、出産予定日から逆算して、適切な時期に接種を受けることが重要です。
安全性
臨床試験において、母体と赤ちゃん双方で、ワクチン接種による重大な合併症や全身反応はプラセボ群と比較して差がないことが確認されています。








